野菜の皮や種、根っこで作るだし!?おいしくキレイになれるベジブロス

野菜の皮や種、根っこで作るだし!?おいしくキレイになれるベジブロス

料理をした後のごみ袋を見ると、そこにはたくさんの野菜カス。皮、種、根っこ、ヘタ…。確かに料理の具材には適さないものばかりですが、「実は皮や根に栄養がある」という話を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?

今回は、健康的な美しい暮らしに役立つ、「今まで捨てていた野菜」の本当の魅力を、料理研究家のタカコ・ナカムラさんに伺いました!

 

ファイトケミカルの宝庫「ベジブロス」

お肌つやつやでハツラツとした雰囲気のナカムラさん。29年間、料理家として研究を重ねてきた「ベジブロス」の魅力を世の中に訴えてきました。

ベジブロスとは、「ベジタブル=野菜」「ブロス=だし」を掛け合わせた言葉。コンソメスープと似たようなイメージですが、ベジブロスは野菜の葉や実の部分ではなく、皮や種、根など野菜の切れ端から、栄養やうまみだけを煮出しただしです。

 

「ベジブロスは、1980年代初頭に栄養学者でありジャーナリストの丸元淑生(まるもとよしお)さんが開発した種や皮で作る『野菜だし』をもとに、より使いやすさを求めた私の研究によって生まれただしです。

当時、日本ではビタミンなどの栄養を積極的に摂る習慣がありませんでしたが、アメリカでベストセラーとなった『ビタミンバイブル』という本を丸元先生が翻訳され、その内容に興味を惹かれてベジブロスを作るようになりました」(ナカムラさん)

 

今でこそよく耳にする、野菜や海藻、お茶などに含まれる物質・ファイトケミカル。30年以上前に出版されたその本にはすでに、野菜だしにも含まれるファイトケミカルの抗酸化力について書かれていたといいます。ただ、ナカムラさんは最初からベジブロスにそこまでの栄養価があるとは思っておらず、ただ「料理に使うとおいしいから」という理由で取り入れていたそう。

 

「研究をはじめて25年目に、ベジブロスはファイトケミカルがたくさんつまっているすばらしい料理だと注目してくださったのがドクターの白澤卓二先生でした。採血による抗酸化作用の実験では、ベジブロスを飲んでからたった2時間で血中の抗酸化物質が大幅にアップするという、先生ご自身も驚く結果が出たんです」(ナカムラさん)

 

ざっくりと解釈すれば、体の酸化=老化。抗酸化物質が増えれば、それだけ老化の進行が抑えられることになります。健康ももちろんですが、美容にもいいことづくしのベジブロスは、美しく輝いていたい女性の味方とも言えますね。

 

ベジブロスはどんな料理にも使える万能だし

ベジブロスの作り方はとっても簡単。

1.野菜の皮や根など野菜の切れ端を用意する(両手1杯分)→冷蔵庫で保存してためておいてもOK!

2.50℃のお湯でよく洗う(50℃というのは、野菜がしゃきっとするだけでなく、汚れも落ちやすい温度なのだそう)。

3.水1300ml、料理酒小さじ1、野菜の切れ端を鍋に入れ、弱火でコトコト20~30分煮る。

4.ざるなどで濾して完成!

 

後は冷蔵庫で保存して3~5日で使い切るのがベスト。週末しか料理をしないという一人暮らしの方は、製氷機に入れて冷凍保存すると、使いたいときに使いたいだけ取り出せるので便利です。

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使い方も簡単で、「水の代わりにベジブロスを使う」だけ。煮物、お味噌汁、炊き込みご飯、カレー、パスタなど、鰹や鶏ガラのだしに比べて味に癖がないため、和洋中どの味つけの邪魔にならず、どんな料理も味わい深くしてくれるのがベジブロスの魅力なんです。

味つけ前のベジブロスをいただいてみましたが、野菜のまろやかな甘みがしっかり感じられる野菜だしでした。忙しい朝は、レンジでチンして塩ひとつまみ。具はなくても、栄養たっぷりの野菜スープに体があたたまります。

 

おいしさの決め手は玉ねぎの皮

ベジブロスに欠かせない食材はあるか伺ってみると、「玉ねぎの皮(茶色の部分)が必須です」とナカムラさん。

 

「野菜の中でダントツに高い抗酸化力のあるケラスチンという成分が多く含まれていて、漢方や薬膳の世界では血をサラサラにする薬としても使われているんです。味の深みも増しますから、料理もよりおいしくなりますよ!」(ナカムラさん)

 

一方で、下記のように色が出すぎたり、癖のある味になりやすい野菜を入れると汎用性に欠けるだしになってしまうため、少なめに入れたほうがいいそう。

 

色の出るもの

ビーツ、ナスの皮など。美容にいいアントシアニンを多く含むが、濃い色が出る。

イオン化合物

ブロッコリーなどのアブラナ科、ニラなど。抗酸化作用は強いが鼻につく香りがする。

ベジブロスは離乳食など赤ちゃんの食事にもOK。本当に体にやさしい、安全安心な自然の恵みなのです。ただし、カリウムの制限がされる腎臓系疾患を持つ方は要注意。ベジブロスを食べる前に、必ずお医者さんに相談しましょう。

 

本当に「体にいいもの」を食べる習慣を!

最後にナカムラさんからみなさんへのメッセージをいただきました。

 

「野菜は肉や魚と違い、収穫した後も生きていることが多いです。“生きた生命力をいただいているところ”が野菜の魅力だと思います。

ただ、種や根は栄養が凝縮されている一方、環境汚染などの体によくないものも蓄積される部分でもあります。なので、できれば丹精に作られた有機野菜や国産野菜のおいしさと豊富な栄養を余すことなく吸収してほしいですね」(ナカムラさん)

 

ストレスで体が疲れているとき、お酒の飲み過ぎで胃が悲鳴をあげているとき、風邪などで食欲がないとき、おいしい野菜と栄養たっぷりのベジブロスで体の中からキレイな暮らしをはじめませんか?

■お話を伺った人

タカコ・ナカムラさん
料理家。山口県の割烹料理屋に生まれる。アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚め。発酵食や乾物料理の提唱者として、数多くの商品開発やオーガニックカフェのプロデュースに関わる。現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコナカムラWhole Foodスクール」を主宰。一般社団法人「ホールフード協会」代表理事。通信講座(がくぶん)「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」「ホールフード基礎講座」監修。「塩麹」「50℃洗い」「ベジブロス」の仕掛け人として次々と食のトレンドを発信。業界関係者からも厚い信頼と注目を集めている。「はなちゃん12歳の台所」(家の光)、「奇跡の野菜だし ベジブロス」「AGEためないレシピ」(パンローリング)、「旨塩麹のもっとおいしいレシピ」(徳間書店)、「50℃洗い」「都市型保存食のすすめ」(実業之日本社)など話題の著書多数。

HP:http://takakonakamura.com/

ライター:牧野絵美

 

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