イライラ、不眠、やけ食い…心と脳を癒やす音楽の力

イライラ、不眠、やけ食い…心と脳を癒やす音楽の力

 

音楽を聴いて、気分が落ち着いたり、眠くなったり、逆に楽しい気分になったという経験は、きっと誰でも一度はあるのではないでしょうか。

今回はそんな音楽の力について、埼玉医科大学保健医療学部教授・和合治久さんにお話を伺いました。シチュエーション別のおすすめ曲も要チェックですよ!

 

癒やしの音楽とは?

そもそも「癒やしの音楽」は本当に存在するのか気になるところ。和合教授に「癒やしの音楽」の定義について聞いてみました。

「現代社会は不安や怒り、ストレスなどを感じやすく、交感神経と副交感神経をうまくスイッチさせられずにいる人がたくさんいます。交感神経にブレーキをかけ、副交感神経を優位に立たせる――つまり、リラックスさせてくれる音楽を癒やしの音楽だと考えます」。

和合教授はあるときモーツァルトの音楽こそ交感神経にブレーキをかけられる、つまり「癒やしの音楽」だと気づき、25年以上もの間研究してきたそう。

 

計算しつくされたかのような奇跡の音楽

モーツァルトの音楽を聴くとよく眠れる、集中力が高まるという話は確かに聞いたことがあります。では、モーツァルトの音楽のどこにその力が潜んでいるのでしょうか。

 

「人間が聞き取れる周波数約20~20,000Hzのうち、一番敏感に感じる音の高さが4000Hz。低音より高音のほうが脳神経への刺激力が強いと医学的にもわかっています。モーツァルトの音楽には3,500~4,000Hzの『高周波音』が多く、音同士がぶつかり合って共鳴する15,000Hz以上もの『倍音』や心地よさを感じさせる『ゆらぎ』という音の特性がバランスよく含まれています」

 

つまりモーツァルトの音楽は、聴く人を癒やしてくれるような仕掛けがたくさんある音楽ということ。とても本能だけで生み出された音楽とは信じられないですが、それが天才ということなのかもしれませんね。

 

シチュエーション別に聴きたい、おすすめのモーツァルト

とは言え、あまりクラシック音楽を聞かないからどれを聴けばいいのか分からない…という方もいるのではないでしょうか。そんな方のために、シチュエーション別におすすめの曲を和合教授に教えてもらいました。

 

イライラしているとき

ディヴェルティメント ニ長調 K.136 第2楽章

おだやかでゆっくりとした音楽で、アドレナリンを抑制し、副交感神経を刺激してくれます。

 

眠れないとき

ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 K.218 第3楽章

睡眠物質メラトニンの元の物質・セロトニンの分泌を活性化するには、同じフレーズが繰り返される曲が最適です。

 

ストレスによる食べ過ぎを防ぎたいとき

ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド ハ長調 K.373

ストレスにより交感神経が優位になると便秘症になりやすく、胃液や消化液、唾液が出にくくなります。またドライマウスの人は食べ過ぎる傾向があります。逆に消化液がよく分泌されると満腹中枢が早く刺激されるため、唾液の分泌を促す音楽がベスト。

 

元気がないとき

交響曲変ホ長調 K.543 第4楽章

テンポがいい曲なので、気分を明るくさせてくれます。

 

心動かされる音楽に触れてすこやかな毎日を

「療法に適した音楽を聴くと、その音楽の好き嫌いに関係なく、体の中では生理的現象が起きています。体の構造が音に反応するようつくられているのです」と和合教授。研究結果では、高血圧症、ドライマウス、冷え性、不眠症の改善などが見られたそう。

 

「現代社会の人は忙殺される日々で、寝不足、過労、多く不安や悲しみを抱え、ほとんどの方が未病状態にあります。1日10分でもいいですから、交感神経の働きすぎにブレーキをかける音楽を聴き、脳と体を少しでもやすらげてほしいですね。安価で副作用がなく、感動力があって、継続性のある音楽に注目してほしいと思います」

 

音楽が好きか嫌いかではなく、音楽によって体の変化を感じることが音楽療法。音楽で癒やされる暮らしをはじめてみませんか?

     

■お話をうかがった人

和合 治久(わごう はるひさ)教授

埼玉医科大学保健医療学部教授・初代学科長。免疫学専門。すこやかな暮らしの可能性を音楽療法と食事療法に見出し、その研究と普及に全力をそそぐ。主にモーツァルトの音楽が持つちからを紐解く。国内における528Hz音楽療法の第一人者でもある。

和合治久公式サイト http://www.wagoh.jp/

     

ライター:牧野絵美

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